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 10月18日、日本甲骨文書道研究会、中国文化センター、山東省文化と観光庁、安陽学院が共同で主催し、安陽美術学院、日本論語素読会、甲骨文書道亀鑑塾の共催を得た「第二回東京国際甲骨文芸術祭」が開幕した。開幕式には石永菁中国駐日大使館文化部公使参事官をはじめ、国際政治経済学者の浜田和幸氏、瀬野清水日中協会理事長、林竹盛子日本文化振興会副総裁、陳隆進東京華僑総会会長、山本信山国際架橋書会理事長、日本書鏡院の長谷川耕史会長と須藤玉誠常務理事、杉本綾華綾華書院院長、孫前進全日本山西経済文化交流協会副主席、丁如霞丁鶴廬研究会会長、郭京会郭沫若文研会会長、全日本書法家協会の高小飛主席と馬燕平副主席など60余名が出席した。
 

テープカット

 
 石永菁公使参事官はその祝辞の中で、甲骨文は漢字の始祖と呼ばれる。中国と日本は現在世界中でただ二つの漢字を日常的に用いる国であり、漢字を通してお互いの国に親近感を覚えることができるし、漢字のおかげで言葉は通じなくとも気持ちを伝え、理解を深めることができる。中日国交回復50周年を迎える来年、両国にとって新たなスタートを迎え、両国の甲骨文の研究や交流が発展していくよう願っている、と述べた。
 

石永菁公使参事官

 
 国際政治経済学者の浜田和幸氏は自身が1984年の訪中団に参加したことを回顧し、当時共青団秘書長を務めていた胡錦涛元国家主席が「これからの中国の成長にはマルクス主義と論語の両輪が必要となるだろう」とおっしゃっていたことが思い出される。日中は漢字だけでなく孔子の教えによっても結びついており、これからもっと知り合う努力をしていけば必ずお互いが自分に何を期待しているのか理解できると信じている、と述べた。
 

浜田和幸氏

 
 また瀬野清水日中協会理事長は、日本人にとって論語や漢字は小学生から親しんできているものであり、漢字の始祖である甲骨文を見ると親しみや文字に宿った天の命を深く感じることができる。日本は中国から様々な文化を学んできた。日中国交正常化50周年を契機に、この大恩を胸に思いを新たにしてまた手を取り合って、日中とアジアの平和のために協力していけることを願っている、と述べた。
 

瀬野清水理事長

 
 来賓方の挨拶のあと羅玉泉センター長は、中国でも日本でも論語はよく知られているが、甲骨文書法の普及はまだまだこれからだ。私自身、張大順氏の創作を実際に見て論語や甲骨文書法の趣深さを感じた。期間中に行われる様々なイベントをぜひ多くの中日両国の方々に見てもらい、その奥深さを味わい、文化交流を深めてもらいたい、と述べ、当センターが来年の中日国交回復50周年に様々な活動を計画しており、中国文化センターとしての役割をしっかりと担っていく意思を表した。

 

羅玉泉センター長

 
 また賀海鵬安陽学院院長は今回の開幕式のため特別にビデオレターを寄せて開催を祝い、安陽学院が甲骨文芸術の研究と普及に長年注力してきたことや、本甲骨文芸術祭が甲骨文芸術を海外に広めるための先駆けかつ重要なプラットフォームとなっていること、そして中国儒家の伝統的経典である『論語』が日本ではいまなお行動規範として根付いていることを述べ、中国の二大伝統文化を融合させた本展を通じて、甲骨文書法の魅力と儒家文化の精妙を感じてほしいと願った。
 

賀海鵬院長のビデオレター

 
 張大順日本甲骨文書道研究会会長はこれらの祝辞や挨拶を受け、「今の私の気持ちを表すならば、感謝、感謝、感謝。それ以外ない」とすべての関係者に対し深い謝意を表した。また、甲骨文書法を好み、研究する人々に対し「歩み続ければ道は必ず拓け、多くの人がその道を歩いてくれるようになると信じている」と述べ、甲骨文書法の研究と普及にまい進してゆく決意を新たにした。
 

張大順会長

 
 3000年の歴史を誇る甲骨文は中国でもっとも古い成熟した文字体系であり、中華民族の優秀な伝統文化の根源であり、全人類にとって精神的財宝といえる。本展は中日両国民にとっての心のよりどころである『論語』をテーマとし、中日書法家の70点余りの甲骨文書法の作品が立ち並ぶ。特筆すべきは、張大順日本高校つ文書道研究会会長が創作し、甲骨片を模した520枚を壁一面に展示する「甲骨文論語全文」である。見る者に『論語』がたどってきた千年以上の時空を想起させ、孔子の教えに耳を傾けているような気持にさせる。本展を通じて日本における甲骨文書法普及を促進することを期待すると同時に、甲骨文は決して博物館のガラスを隔てて鑑賞するだけのものではなく、我々の日常の書写の中に息づくことができることを感じてほしい。本展は10月29日まで開かれる。期間中は様々なイベントが開催され、オンラインでも会場の様子を見ることができる。
 

開幕式中の揮毫会


期日: 2021/10/18 〜 2021/10/29
時間: 10:30〜17:30
会場: 中国文化センター
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