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 中国の団扇は、「宮廷の扇」とも称され,悠久の歴史を有し,中国の古代宮廷文化と士大夫の雅やかな文化とが高度に融合して産まれたものである。唐と宋の時代より,文人韻士は、豊富で多彩な書画作品を扇の表面に遺してきた。それにより後世の人々に芸術的成果を直接的に理解させることができると同時に,当時の団扇は、鑑賞的価値がその実用的価値を遥かに超えていることに容易に想像でき,且つ団扇自体も、損なわれることのない、申し分のない造りとなっており、貴重な芸術作品である。
 
 日本に居を構える画家・任莉莉女史は、現代の団扇絵画芸術における代表的な人物の一人である。その画風は独特で,動物の表情や仕草、花鳥の生命力を数多く表現し,絵画芸術と団扇とが一体に融合されており,それを見た人は、久しく忘れ去ることができない。
 
 団扇の作品と共に、中国と日本の書画篆刻家諸氏の作品もさらに展覧される。書法作品の中には、団扇と関連のある詩文もある。例えば、書法家・高小飛氏による篆書の対聯「舞低楊柳楼心月、歌尽桃花扇底風」は、出典が北宋の詩人・晏幾道の『鷓鴣天』であり、文人韻士の心が今日まで語り伝えられることを願ったものである。
 

 

 

 

 

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