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 山東省文化と観光庁、中国文化センターならびに中国駐東京観光代表処の共同主催による「山東の蹴鞠の歴史と文化観光写真展」が8月17日から27日までの間、中国文化センターで開催されている。本展は中国駐日本国大使館の関係部門の指導や各日中友好団体や民間の交流機関などの関心の下、写真パネルや複製品などを通して中国蹴鞠の起源、発展、伝承および対外交流などを紹介するほか、国際サッカーの発祥地である淄博市をはじめとする山東省の文化や観光資源も紹介されており、スポーツ、特にサッカーを愛する日本人や在日華人華僑にとって見ごたえのある内容となっている。
 

蹴鞠文化の紹介を聞く来賓たち

 
 古代中国で生まれた蹴鞠は、二千年以上もの間スポーツとしてまた娯楽として中国国内で親しまれただけでなく、発展と対外交流を経て「世界で最も親しまれているスポーツ」サッカーの形成に深くかかわった。2004年7月15日、蹴鞠はサッカーの起源であることがFIFAによって正式に認められ、沙山東省淄博市臨淄区もその発祥地と認定された。さらに2006年には第一期中国国家級無形文化遺産の一つに登録された蹴鞠は、近年習近平総書記が自ら国礼として海外の要人に贈るなど、現在中国の対外文化交流の代表的存在となっている。
 

会場の一角

 
 唐代に遣唐使らによって伝わった日本との間では、近年来蹴鞠に関連する展示会や様々な文化交流、事業協力が頻繁に行われている。本展は写真パネルや古代の鞠などを展示することで、日本国内の人々にサッカーの発祥地や斉文化博物院(臨淄サッカー博物館)の様子を紹介しているほか、中国が誇る国家級無形文化遺産、蹴鞠の発展変化そして保護継承と伝播の歩みを見ることができる。この展覧会を契機として、中日文化交流と相互理解、相互協力がさらに促進されること、また斉魯文化ないし蹴鞠文化の継承と革新につながることを期待する。
 

熱心に鑑賞する観客たち

 
 山東省は長年日本との確かな友好交流や事業協力を続けており、ことさら文化と観光界隈での多様な交流、協力が頻繁に行われている。特に山東省の孔府孔廟は日本人の心をつかんで離さない観光スポットであり、日本における海外観光市場でも絶大な知名度を誇る。コロナ禍前の2019年、中国文化センターでも「2019好客山東文化観光説明会」を開催した。その際、山東省文化と観光庁の王磊庁長自ら訪日して観光資源を説明し、中国駐日本大使館の石永菁文化公使参事官も祝辞を述べているほか、日本の政界や日中友好団体の代表をはじめ文化観光業界から約150人を超す人々が出席しており、大成功を収めている。
 今回の展覧会でも元々開幕に合わせて「対話山東――山東文化観光対話大会」を開催予定であった。中日両国の新型コロナウイルスの近況から取りやめを余儀なくされるという悔いを残す形となったが、同時にこの疫病が早期に収束し、文化交流や観光が回復することへの期待を高めることにつながった。
 


期日: 2021/08/17 〜 2021/08/27
時間: 10:30〜17:30
会場: 中国文化センター
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