2025年9月6日、7日の二日間、中国文化センターは代々木公園で開催された「チャイナフェスティバル2025」に出展し、多くの来場者を迎えることができた。今年のテーマは「見て・作って・体験して!五感で楽しむ中国文化」。例年以上に内容を充実させ、来場者が中国の伝統や生活文化に、より深く・より楽しく触れられるよう工夫を凝らしたプログラムを展開した。
体験型ワークショップは、例年人気の「剪紙」、「合文新漢字作り」に加え、「瓦当拓本体験」の三本柱を軸に展開され、いずれの体験も大盛況であった。剪紙では赤い紙とパンダの型紙を使ってオリジナル作品を仕上げ、団扇に仕立てて持ち帰ることができるようにしたことで、体験後も楽しめると多くの好評を得た。合文新漢字作りでは、来場者それぞれが自分の名前や好きな言葉を自由な発想で組み合わせ、新たな表現を生み出す体験ができ、子どもから大人まで多くの笑顔が見られた。瓦当拓本のワークショップでは、実物の瓦当を使い、墨を用いて紙に文字や文様を写し取るという、日本ではなかなか体験できない手法に多くの注目が集まった。
その他、常設体験ブースも賑わいを見せた。中国将棋「シャンチー」は専門家のサポートを受けながら初心者でも挑戦しやすい環境を整えたことで、親子連れを中心に多くの来場者が対局を楽しんでいた。中国語のことわざを遊びながら学べる「成語カルタ」では、外国語学習に関心のある若年層に特に人気があった。さらに、「漢服折り紙」やカラフルな「扇子作り」、北方の伝統工芸である「針金編み」など、細やかな手仕事に没頭できるコーナーも好評であった。
「中国昔あそび」として用意された「投壺」や「羽けり」も、多くの来場者が童心に返って楽しんでおり、初めて体験する人々が思わず夢中になる姿が印象的であった。文化をただ“見る”だけでなく、自らの身体を使って“体感”する楽しさが、会場全体に温かい空気を生み出していた。展示コーナーでは、今年5月に実施した「山西視察団」の活動報告とあわせて、視察時に得た資料や関連作品を紹介し、文化交流の広がりと継続性を伝える場とした。こうした異文化体験を通じて、中国の多様性に触れられる貴重な機会となった。
今回の出展を通じて、体験を通して文化を知ることの強さを改めて実感した。見て終わるのではなく、作ってみて、遊んでみて、触れてみることにより、文化は“遠いもの”から“自分にとって身近なもの”へと変わっていく。そうした変化の瞬間が数えきれないほど生まれた二日間であり、中国文化センターは、今後もこのような体験型の機会を大切にし、多様で奥深い中国文化を発信していく活動を続けていく所存だ。
期日: | 2025/09/06 〜 2025/09/07 |
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時間: | 10:00~20:00 |
会場: | 渋谷区代々木公園イベント広場 |