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先ごろ日本で流行したことば「忖度」。テレビで日本にしかないことばである、と解説していました。ところが中国語の辞書を引くと「忖度」という言葉が載っています。現代漢語では比較的使用頻度が低いことばで、同じ意味の「揣测」「揣摩」「迎合」を多く使います。
 
日本でよく使う「絆」という意味のことば、これは中国語にはありません。中国語でこの漢字の意味は「絆倒=つまずいて倒れる、足を引っかけて倒す」となります。「羈絆」ということばは本来「束縛する」という意味ですが、日本語の「人と人との結びつき、支え合いや助け合い=きずな」の訳語として使われています。日本語の意味を持つ新しいことばとして認識され始めています。
 
これらのことから、日本語にない中国のことばはあるだろうか、と考えました。
 
中国人が体調が悪い時によく使う「上火了」「腰酸背痛」。日本のお医者さんには通じません。中国ツウの日本人でもどんな感覚かよくわからないと言います。日本語にはないことばではないでしょうか。
 
「上火」が表す病状はたくさんあります。顔に吹き出物ができる、口の中が赤く腫れる、のどが痛い、歯がうずく、口や鼻が乾く、目やに・目のかゆみがでる、食欲不振、便秘、おしっこが黄色いなど。こんな時は多めに水を飲み、野菜を多く肉を少なく食べるようにします。症状がひどいときは「去火」の薬を飲みます。
 
「酸疼」と「疼」この二つを中国人は違う痛みだと言います。「疼」とはケガの痛みや、歯の痛み、腫れやむくみの痛さを指します。一方「酸疼」は、関節や筋肉の痛みとその中に感じるだるさを指します。
 
その国でしか使われない、ほかの国にはない言葉は必ずありますし、そういった言葉は少なくないと思います。外国語の勉強としてこういった言葉を調べてみると、きっととても面白い発見があると思います。
 

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