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 中国文化センターは、2025年12月19日、埼玉会館大ホールにおいて「2025 晋韻華章~山西文化年閉幕公演 山西省&埼玉県友好都市締結43周年記念音楽会」を盛大に開催した。本公演は、2025年を通じて実施されてきた「山西文化年」の総仕上げであると同時に、山西省と埼玉県の友好都市締結43周年を祝う記念事業として位置付けられている。会場には多くの来場者が訪れ、中国伝統文化の奥深さや日中交流の意義を改めて実感する貴重な機会となった。

  

2 出演者たち

  

 「山西文化年」は、中国文化センターが山西省文化と観光庁をはじめ、山西省内外の多様な文化団体と連携し、一年を通じて展開してきた重要な文化事業である。2月に開催された「歓慶蛇年新春:晋韻華章―山西文化年開幕演出」を皮切りに、山西省の歴史や文化、自然景観を紹介する展示や観光プロモーションイベント、文化講座、芸術公演など、幅広いプログラムが実施されてきた。こうした取り組みを通じて、日本の人々に山西文化の魅力を継続的に発信してきた集大成として、本公演はさらなる文化理解と交流の深化を願い開催されたものである。

 

1羅玉泉 センター長(左)、橋本清一埼玉県日中友好協会理事長(右)

  

 当日は、輿水恵一衆議院議員、瀬野清水日中協会理事長、橋本清一埼玉県日中友好協会会長をはじめ、日中双方の文化関係者やメディア関係者など計794人が来場し、会場は大きな賑わいを見せた。舞台では、在日華僑華人および日本人アーティストによる民族楽器演奏、声楽、舞踊などが披露され、中国伝統芸術の多彩な表現が一堂に会した。なかでも、山西省の民謡や地域色豊かな楽曲、中国民族楽器の特性を生かした演奏は、観客の大きな関心を集めた。二胡、古筝、馬頭琴、琵琶といった中国を代表する楽器の音色は、旋律の美しさと情感の深さによって会場全体を包み込み、郷愁を誘う響きとして来場者の心に深く刻まれた。また、舞踊や声楽のパフォーマンスも、それぞれの作品に込められた物語や情緒を豊かに表現し、視覚と聴覚の両面から中国文化の精髄を伝える内容となっていた。

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 プログラム全体は、伝統芸術を基盤としつつ、アーティストの創意工夫や現代的な感性が融合した構成となっており、観客からは「中国の伝統文化を新鮮な形で体感できた」「山西省への関心が一層高まった」「日中の文化的な共鳴を感じられる舞台だった」といった好意的な声が多く寄せられた。さらに、日本語曲の披露や、日本と中国の楽器の響きを対照的に用いた演目など、文化交流を象徴する場面も随所に盛り込まれ、双方の文化に親しみを持てるよう工夫されていた点も高く評価された。

  

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 本公演は、単なる芸術鑑賞の場にとどまらず、文化と心が交わる交流の場として大きな役割を果たした。中国の長い歴史に根ざした伝統音楽の背景や精神性に触れながら、日本と中国が文化を通じて築いてきた絆を改めて確認する、意義深い時間となった。

  

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 今回の閉幕公演は、中国文化センターが一年を通じて実施してきた文化・観光交流事業の集大成でもある。山西省の歴史文化遺産や豊かな自然景観を紹介するさまざまなイベントを通じて、文化を軸とした国際交流の可能性が大きく広がった一年となった。その締めくくりとなる本公演では、アーティストの熱演と観客の熱意が一体となる瞬間が随所に見られ、文化交流が人と人とのつながりを生み出す力を持つことを、改めて強く印象付ける結果となった。

 開催にあたっては、中国駐日本大使館、中国駐東京観光代表処、埼玉県をはじめ、数多くの団体および関係者から後援と協力を得た。また、各地域の日中友好協会、華僑華人団体、企業各社の支援により、今回の意義深い公演は成功裏に終了した。運営を担った各組織およびスタッフの尽力に、深い感謝の意を表したい。

  

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 中国文化センターは今後も、日本において中国の多様な文化と芸術を紹介し、文化を通じた相互理解の促進に取り組んでいく。本公演を契機として、山西省をはじめとする中国各地と日本との文化交流がさらに深まり、新たな共創の機会が広がることが期待される。


期日: 2025/12/19 〜 2025/12/19
時間: 17:00~19:30(開場16:00)
会場: 埼玉会館 大ホール(埼玉県さいたま市浦和区高砂3丁目1−4)
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