中国の江南地方は古くから繁栄し、特に蘇州はその中心地として歴代の文人や雅士が集う文化の都でした。「呉門画派」は蘇州の民間工芸に深い影響を与え、その技と美は今もなお受け継がれています。蘇州の民間工芸は種類が豊富で、独自の特色を持ち、深い歴史文化の背景と極めて高い芸術的価値を誇ります。
蘇州には、工芸美術の11の大分類、82の細分化されたジャンル、数千種類に及ぶ工芸品があります。その中でも、蘇繡(蘇州刺繍)、緙絲(織り込み絹織物)、宋錦(宋代の錦織物)、織羅(羅織物)、核雕(木の実彫刻)、玉雕(玉彫刻)、砖雕(煉瓦彫刻)、蘇作家具、桃花塢木版年画(桃花塢木版年賀画)、蘇扇(蘇州扇)、蘇灯(蘇州のランタン)などが特に優れています。
明清時代以降、蘇州の工芸品「蘇工蘇作」は宮廷御用の品として珍重され、中国民間工芸の最高水準を代表してきました。2014年、蘇州はユネスコの創造都市ネットワークに加盟し、「手工芸と民間芸術の都」として認定されました。現在、世界中に「蘇工蘇作」の愛好者が広がり、若い職人たちが次世代の担い手として成長しています。
今回は、その若手芸術家たちによる新作及び日本の伝統工芸の職人の皆様と技を交え、東京中国文化センターにて展示を行い、伝統の継承と発展の道を共に探ります。そして、世界に向けて「蘇工蘇作」新時代の伝説を語り継ぎたいと思います。この展示作品と実演が、皆様に伝統文化の美しさを存分に楽しんでいただけることを願っております。
【主催者】蘇州市民間文芸家協会、蘇州市呉中区委宣伝部 中国文化センター
【後 援】呉中区青年手芸人協会
【協 力】株式会社百年匠人 アイル株式会社
【会 期】2025年2月17日(月)~2月21日(金)まで ※最終日2月21日は13時で閉館