【趣旨】
甲骨文は、中国に現存する最古の体系的かつ成熟した文字体系であり、中華民族に受け継がれてきた文化的記憶と精神を伝える貴重な文化遺産です。2017年にはユネスコ「世界の記憶」に登録され、人類共通の文化遺産として、その価値が広く認められています。また、中国古代文明が育んだ高度な知恵と独自の文化的成果を今日に伝える重要な資料でもあります。
中国と日本は一衣帯水の隣国であり、漢字は両国の長い歴史と文化を結ぶ重要な架け橋となってきました。漢字文化は、日本が中国の伝統文化を受容し、独自に発展させていく上でも重要な基盤となり、現在では日本文化を構成する不可欠な要素の一つとなっています。
2026年は、甲骨文が発見されてから127周年にあたります。甲骨文をはじめ、中華民族の悠久の歴史と文化をより広く海外に紹介するとともに、日本社会の皆様に中国文化への理解をさらに深めていただくことを目的として、シリーズ講座「甲骨文字から見る中国文化」(全6回)を開催します。
本講座では、甲骨文に刻まれた多様な情報を、さまざまな視点から読み解いていきます。甲骨文という古代文字を入り口に、中国の歴史・社会・文化をひもときながら、中華文化が持つ奥深さと尽きることのない魅力に触れていただく機会となれば幸いです。
【講義内容】
甲骨文には、商代の政治、軍事、天文、農業、祭祀、社会生活など、多岐にわたる情報が記録されており、中国古代文明を研究する上で「百科事典」ともいえる貴重な資料となっています。
本講座では、これまでに確認されている約4,500字の甲骨文字の中から、農牧業、漁業、天文、気象、医療、祭祀、農耕・狩猟、戦争、建築、教育、交通、信仰などに関連する文字を取り上げ、テーマごとに解説します。
一つひとつの文字の成り立ちや背景を読み解きながら、古代の人々が自然や社会をどのように捉え、どのような知恵や思想を育んできたのかを探ります。甲骨文を通して、数千年前を生きた人々との「対話」を試みる講座です。
また、各回の講義では、張大順先生による揮毫実演も行います。講義テーマに関連する甲骨文を書いた色紙作品を、その場で制作し、参加者に贈呈します。
「聴く・見る・楽しむ」を通して甲骨文と中国文化に親しむ、学びと鑑賞を兼ね備えた講座です。
【開催日時】
全6回のシリーズ講座です。
各回ごとにお申し込みが必要です。
お申し込みは、こちらからお願いいたします。
① 10月14日(水) 【テーマ:人体に関する文字】15:00〜16:40
② 10月21日(水) 【テーマ:動物に関する文字】15:00〜16:40
③ 10月28日(水) 【テーマ:器具・建築に関する文字】15:00〜16:40
④ 11月04日(水) 【テーマ:植物・農作物に関する文字】15:00〜16:40
⑤ 11月18日(水) 【テーマ:自然に関する文字】15:00〜16:40
⑥ 11月25日(水) 【テーマ:教育・医療・戦争に関する文字】15:00〜16:40
【持ち物】
筆記用具
※会場には机のご用意がありません。
【講師プロフィール】
張大順(チョウ・ダイジュン)
中国・西安出身。学者型書家、篆刻家。国連平和芸術家。
篆書・隷書・楷書・行書・草書の各書体に精通し、特に篆刻を得意とする。古代文字、とりわけ甲骨文および甲骨文書道の研究に長年取り組み、甲骨文書道における新たな理論と実践方法の構築、甲骨文の解読研究などにおいて数多くの成果を上げている。研究、教育、創作の各分野を通じ、国内外の甲骨文書道界に幅広い影響を与えている。
2000年、中国文化部より「世界華人傑出芸術家」の称号を授与される。香港『世界芸術家名人録』、日本『芸術家年鑑』、『世界芸術家辞典』などにも掲載。2012年には日本の『芸術家年鑑』において「現代の人気美術作家」として紹介され、2019年には国連より「平和芸術家」の称号を授与された。著書多数。
2017年より東京中国文化センターにて、中国文字文化シリーズ講座「甲骨文から見る中国文化」(文字編・全8回、卜辞編・全10回など)、「甲骨文の生成法について」(全6回)などを担当。専門的な内容を分かりやすく紹介する講義は、毎回好評を博している。
③ 10月28日(水) 【テーマ:器具・建築に関する文字】15:00〜16:40
※本ページは、第3回講座のお申し込み専用ページです。
