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 8月24日午後、中日国交正常化50周年記念のため、敦煌研究院と日中平和発展促進会が主催し、中国文化センター、中国駐東京観光代表処が共催する「敦煌文化芸術と日本との淵源」オンライン交流会が中国文化センターにて行われた。

 中国駐日本大使館文化部の石永菁公使参事官、敦煌研究院の趙声良党委書記をはじめ、日中平和発展促進会の志賀建華理事長、横井裕前日本駐中国大使、日中友好会館の小川正史理事長、日中友好協会の永田哲二常務理事、平山郁夫シルクロード美術館の平山東子館長、日本旅行業協会の千葉信一副部長、羅玉泉中国文化センター長、欧陽安中国駐東京観光代表処首席代表、日中平和発展促進会の王敏会長、敦煌研究院の李萍文化弘揚部長がそれぞれ挨拶を述べた。

 また、東京会場には日中文化交流協会の中野暁専務理事や日中協会の瀬野清美理事長、日中友好会館の楊建興文化事業部長、日中平和発展促進会の朱金諾専務副会長なども出席、文化界、観光業界50人ほどが集まり、本会全体の参加者は東京会場、敦煌会場、オンライン視聴を合わせ170人ほどとなった。

 

1石永菁 中国駐日本大使館文化部公使参事官のビデオメッセージ

 石永菁公使参事官は、「平山郁夫先生と日本各界の皆さんと敦煌研究院は長年に及ぶ密接な協力によって、敦煌芸術の研究や紹介など、様々な分野で非常に多くのことを成し遂げてきた。しかもこの交流・協力は現在でも続けられており、美談として伝わっている。中日国交正常化50周年を迎える本年、オンライン形式での交流はますます重要性を高めている。新型コロナウイルスが一日も早く収束し、友人たちが直接顔を合わせ、友情を語らい、研究と交流が再開できること、そして、日本のより多くの観光客が敦煌を訪れ、敦煌という人類共通の文化遺産の保護と理解をともに進めてゆけることを期待している、と述べた。

 

 

2趙声良 敦煌研究院党委書記・元院長

 趙声良書記は、「中日両国は親友といえる隣国であり、厚い歴史文化の源流と広い利益を共有している。敦煌研究院と日本との交流は1950年代にはじまり、1980年代になるとさらに密接になった。国交正常化50周年の本年、敦煌研究院は座談会や展覧会を開催し、中日文化交流を深め、人類の文化遺産の保護・継承を推し進めていきたい、と述べた。

 

3横井裕 前日本駐中国大使

 

 

4千葉信一 日本旅行業協会副部長

 

本交流会では東京と敦煌のオンライン中継と会場でのオフライン交流を組合せる方法がとられ、中日両国とも多数の参加者が集まり、敦煌文化芸術について大いに交流が行われた。

 

5オンライン中継での交流の様子

 交流会では、趙声良書記による特別講座「敦煌文化の価値」も行われた。趙書記は、写真や図を使って敦煌文化の全面的な知識を紹介し、また、同院の劉文山高級解説員が「敦煌文化芸術オンライン展示」「日中文化芸術交流50年」および「敦煌最新動向」を紹介、参加した人々は広く深い敦煌文化を再認識し、敦煌の「シルクロード情緒」を十分に感じていたようだ。

 

6東京会場

 

7敦煌会場

 趙書記の紹介によれば、敦煌文化は主に、石窟、出土した経典などの古代文献、敦煌本体の歴史遺跡としての価値の三つが挙げられるという。また、その価値は4つに分けられる。一つは古代の多数の民族や宗教、多元的な文化を含んだ歴史的価値で、歴史の不足を埋めるに足る資料が大量に出土している。二つ目は芸術的価値である。敦煌芸術は建築、彫刻、絵画という三つの芸術形式が融合しており、同時に、壁画には音楽、舞踊、服飾などの要素が含まれる、中国の古代美術史を反映する希少な資料である。三つめは、科学技術としての価値であり、中国古代の天文学、農業、医学、印刷技術といった科学技術の史料が多く残されている。4つ目は社会的価値である。現在の社会において、敦煌文化は我々が古代文化を知る上での生きた教材であり、中国の伝統文化の学習、継承に非常に役立つばかりでなく、芸術創作やデザインの運用に強いインスピレーションを与えてくれるのだという。

 

8特別講座の様子

 この50年間、中日は各友好団体をはじめとする人々の努力により、各種文化交流、民間交流などを通じて相互理解を深めてきた。中国敦煌は両国文化芸術交流の窓口として、重要な役割を担い続けてきた。日中友好協会会長を務めた平山郁夫氏が長年にわたる敦煌仏教芸術に対する研究や修復保護活動によって、両国文化芸術交流の良好な基礎の構築に与えた貢献は非常に大きい。この先人たちの守り、継承してきた敦煌文化と友好関係を未来につないでゆかなければならない。


期日: 2022/08/24 〜 2022/08/24
時間: 14:00~17:00
会場: 中国文化センター
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