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 2021年1月13日午後、扶風閣、連枝書道会、中国文化センターの共同主催による「扶風閣蔵古磗拓本東京展」が中国文化センターで開幕した。その開幕セレモニーは、漢代から晋代の磗(セン/レンガ)に書かれた絵画や書などの拓本や実物の磗が陳列された、非常に文雅な雰囲気の会場でささやかに行われた。
 開幕セレモニーには、卯月政人山梨県議会議員をはじめ、毎日書道会から西村修一専務理事、鈴木義典会報編集長、独立書人団の山中翠谷事務局長、毎日新聞社の去石信一甲府支局長、毎日新聞社学芸部の桐山正寿氏、株式会社卯月林業の卯月久社長、書道芸術社の細野誠編集長、匠出版の澤田博史代表取締役、川香苑の安徳利社長、ほかにも数々の著名書道家など、書道界を中心に25名ほどが参加した。

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望月大耿連枝書道会筆頭代表の挨拶

 羅玉泉センター長は「珍しい古磗の拓本の数々からは千数百年前の古代の人々の記憶や気持ちが伝わってくる。現代の漢字につながる非常に貴重な文化であり、中日両国の文化は古くから深く結ばれているのだと感じることができる」と挨拶の中で述べる。また、連枝書道会の望月大耿首席代表が「刑徒磗を中心に据えた展覧は世界で初めてであると思う。昨今の書道家は書く方に集中していて文化活動が少ないが、書の文化発展のため若い世代にもこの文化を伝えていきたい。国内10箇所と中国台湾での開催を予定しているが、時間がかかっても成功させたい」と言うように、これほど多くの古磗の拓本が並ぶ展覧会は珍しく、この展覧、また日本国内、中国台湾での巡回展を通してこの優秀な文化の価値をより多くの人々が認識することだろう。そして、扶風閣の馬燕平代表は、コロナ禍に負けず集まった来賓たちの温かい絆と文化活動に対する熱意に深く謝意を示した。

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卯月政人山梨県議会委員の挨拶

 また、卯月政人山梨県議会委員は挨拶の中で「望月先生は書文化普及のため多くの貢献をされている。日中友好促進に対しても意義深いことだ」と述べ、独立書人団の山中翠谷事務局長は「望月先生は後進の育成や書画文物の収集、文化交流など非常にバイタリティがある。書の学習法には『帖学』『碑学』というものがあるが、両方修めている人は少ない。感心しきりである」と望月代表の書に対する熱意を語った。また、毎日書道会の西村修一専務理事は「今年は『辛丑』は、忍耐のあとに新芽が息づくという意味がある。そういう年に開催されたこの企画で、日中の漢字文化に対する勉強がさらに進んでいけば、これに勝る幸せはない」と述べ、それぞれ展覧の成功を祝福した。

 セレモニー終了後、馬燕平代表による簡単な展示解説が行われた。参加者は周囲との距離に気を付けながら、古磗に刻まれた文字や絵画に込められた意味を知り、しきりに感嘆の声を上げていた。

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馬燕平扶風閣代表による展示解説の様子

 本展は1月22日まで開催され、拓本体験や、馬燕平代表による展示解説が受けられる。

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拓本体験

 写真提供:扶風閣


期日: 2021/01/13 〜 2021/01/22
時間: 10:30〜17:30(土日休館、最終日は13:30まで)
会場: 中国文化センター
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