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 10月29日午後、公益財団法人中国残留孤児援護基金が主催、中国文化センターと中国帰国者墨縁金閣会が共催する中日平和友好条約締結40周年記念・中国養父母謝恩事業「中国帰国者生活文化作品展」が中国文化センターで開幕した。
 
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作品

 
 本作品展は、中国残留邦人の帰国促進の契機となった中日平和友好条約締結40周年を記念し、中国残留日本人孤児の養育に尽力した中国人養父母への謝恩を込めて開催された。作品の募集は2018年7月から9月にかけて行われ、日本全国から帰国者とその家族の作品289点の応募があった。書道・水墨画、写真、絵画(油絵、水彩画、絵手紙等)、手工芸その他(切り絵、篆刻、刺繍等)の4つの部門で、それぞれ金賞・銀賞・銅賞・佳作として選ばれた約80作品が会場に並ぶ。
 
 記念セレモニーには公益財団法人中国残留孤児援護基金の炭谷茂理事長、厚生労働省社会・援護局の八神敦雄審議官ほか、受賞者、選考委員、関係者など150人以上が集まり会場はおおいににぎわった。なかには遠く北海道や沖縄からの参加者もあった。
 

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中国残留孤児援護基金の炭谷茂理事長と受賞者

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厚生労働省社会・援護局の八神敦雄審議官

 
 中国残留孤児援護基金の炭谷茂理事長はセレモニーの挨拶の中で「長年育ててくれた養父母への恩を忘れず、両国の友好平和を誰より強く願う帰国者とその家族の日本での日々の生活の中から生まれた作品を展示することで、今まで残留邦人に接点がなかった人にも関心を寄せていただくきっかけになれば」と語った。会場には中国帰国者等の歴史と現状に関するパネル資料も展示されている。
 
 残留孤児の多くは自身の年齢が四~五十代に達したのち、ようやく日本の血縁者と再会し帰国することとなった。厚生労働省や残留孤児援護基金が彼らの言語・技能・生活・職業訓練などの援助を行っているが、ことばや生活習慣のちがいに不自由を強いられたのは言うまでもない。そのような日本での生活の中で芸術分野の創作をすることは、彼らの日々の生活に彩りを加え、時には心の支えにもなったであろう。多くの日本人にこの展覧会をとおして中国残留日本人孤児の現状や彼らの努力の足跡を見てほしいと願っている。
 
 会期は11月2日まで。


期日: 2018/10/29 〜 2018/11/02
時間: 10:30〜17:30
会場: 中国文化センター
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