「劇を見て新年を過ごす」ことは中国の伝統文化であり風習であることから、中国文化センターと上海市歴史博物館は共同で春節期間に「水磨伝馨-海上昆曲文化展」を開催、また展覧会開幕に際し、中日の俳優が共に京劇、昆曲の一幕を上演した。中日両国の京劇俳優は素晴らしい劇で来場者と共に新春を祝った。
2016年2月2日午後、センターは提灯を吊るし飾りつけされためでたい雰囲気で、来場者も絶えず、日本各界の方々がセンターで劇を見て新年を過ごした。衆議院議員で総務大臣政務官の輿水恵一氏、国土交通省の舘逸志大臣官房審議官、浜田和幸参議院議員だけでなく、各友好団体から岡崎温理事長と白西紳一郎理事長、東京華僑総会の廖雅彦会長が出席した。また多くの「中国ファン」、「京劇ファン」、「昆曲ファン」が来場し、熱心な観衆に席を提供できず、来場者の半数は立って公演を鑑賞した。中国文化センターの石永菁センター長は熱心な観衆に向けて感謝の意を、立ち見の観衆に遺憾の意を表し、また会場の全員に向け新春の挨拶を行った。
今年の春節でセンターが目玉としたのは日本人による中国劇の公演で、中国京劇院唯一の外国人俳優である石山雄太氏だけでなく、現在旅日京劇俳優の張春祥氏、張桂琴氏から京劇を学んでいる樋口理世氏、張小山(加藤光一郎)氏、張飛鳳(田崎麻也子)氏、張烏梅(梅木俊治)氏、茶谷健太氏等が俳優として上演し、衣装係等裏方も全て京劇を学んでいる日本人が行った。彼らは師匠と一緒に「天女散花」、「石秀探庄」、「扈家庄」、「閙天宮」等京昆の古典演目を上演し、観衆の拍手喝采を博した。多くの観衆は初めて日本人の京劇公演を目にし、その素晴らしい上演に驚いていた。また多くの観衆が彼らのファンとなり、次の公演スケジュールを問い合わせるなど、今後も上演を見に行くようであった。
京劇を学ぶ日本人にはストーリーがある。石山雄太氏は小学生の頃、テレビで「西遊記」を見て「孫悟空」が好きになり、その後両親に中国京劇団の来日公演へ連れられると京劇に魅了され、単身中国戯曲学院付属中学、大学へと留学し、卒業後は中国京劇院へ入団し、当該院唯一の外国人俳優となった。申年の春節で彼は「閙天宮」を演じ、孫悟空として福を届けた。
新春の佳節に中日の俳優を招き京昆を上演すると共に、日本の観衆に京昆を理解してもらうことも忘れず、センターは詳細な上演リストや字幕モニターを準備し、中国語が分からない日本の観衆にも中国の戯劇芸術の魅力を十分感じてもらえるようにした。張烏梅(梅木俊治)氏が司会を担当し、動作や歌を用い京劇や昆曲の区別を分かり易く説明した。張春祥氏は自ら壇上で指導を行い、観衆に京劇の型を体験してもらうと、舞台や客席から笑いが絶えなかった。
また中国文化センターは餃子や春巻きを準備し、春節のプレゼント用意して会場で抽選を行うなど、来場者と共に新春の佳節を祝った。
期日: | 2016/02/02 〜 2016/02/19 |
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会場: | 中国文化センター |