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 奥深く独特の趣を持ち、頭脳スポーツとして多くの愛好者を引きつけ続ける「囲碁」は、1980年代に始まった「日中スーパー囲碁」などにより多くの人々の注目を集め、今なお囲碁愛好者を増やし続けている。同時に中日間での囲碁大会や囲碁交流も頻繁に行われるようになり、今や囲碁は中日の友好的往来や文化交流を支える重要な「使節」であるといえる。2020年10月21日午後、中国文化センターと日本棋院静岡支部の共催による「一碁一会~爛柯:碁で中日文化観光交流へ 八木勇先生所蔵 囲碁の道具 静岡県と浙江省囲碁交流回顧展」の記念セレモニーが中国文化センターで催された。
 
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テープカット

 
 セレモニーには中国駐日本国大使館の楊宇公使をはじめ、囲碁文化振興議員連盟会長の柳本卓治前参議院議員、幹事長の松下新平参議院議員、日本棋院の小林覚理事長、大竹英雄名誉棋聖、静岡県支部連合会の八木勇名誉会長、静岡東京事務所の石井亘次長、日中友好会館の佐藤重和理事長、日中友好協会の永田哲二常務理事、静岡県日中友好協議会の栗原績理事長、日本棋院所属日中交流特命棋士の孔令文七段、友伝株式会社の斎文道代表など60余名が出席した。
 
 楊宇中国駐日本国大使館公使は挨拶の中で「囲碁交流は両国の文化交流の一環として、中日の友好的往来の歴史の上で重要な役割を果たしており、呉清源や林海峰などをはじめとする中国棋士が中日の囲碁界で活躍をしてきた。今回の展覧が皆さんに囲碁文化を味わっていただくと同時に、中日文化交流を更に促進することを望む。新型コロナウイルスの影響下、中日文化交流も諸々の影響を受けている。中国駐日本国大使館は両国の地域、文化、経済など各方面での交流を早く再開できるように、そして中日の人々の交流と相互協力が新しい成果を得られるよう、積極的に後押ししていく」と述べた。
 
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中国駐日本国大使館楊宇公使

 
 また、囲碁文化振興議員連盟会長の柳本卓治前参議院議員は「中曽根元首相の秘書として共に30回以上中国を訪問した際、中国各地、各界、各年齢層の方々と友情を深めた。日中国交正常化から40数年が経ち、多くの先輩方や友人たちが亡くなってしまってはいるが、現在に生きる我々は彼らの遺した意志を忘れてはいけない。友情を薄れさせてはいけない。私は数年前囲碁文化振興議員連盟の会長に選任された。まだまだ囲碁には詳しくないが、囲碁を学びながら日中両国の文化交流のため、両国の世代を越えた友好のため力を尽くしてしていこうと思っている。」と述べた。
 
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囲碁文化振興議員連盟会長柳本卓治前参議院議員

 
 そして、公益財団法人日本棋院の小林覚理事長は「この40年来、八木勇先生と静岡県支部は浙江省とともに囲碁をめぐる様々な交流活動を行い、日中両国の棋士のためにすばらしい交流の機会と協力の場を作ってきた。今後とも日本棋院は日中囲碁文化交流のために尽力し、日中両国の友好が長く続いていくことを望む。」と述べた。
 
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日本棋院小林覚理事長

 
 浙江省と静岡県は姉妹都市関係を締結して以来、絶えず友好交流を行っており、2022年には締結40周年を迎える。本展覧は1979年の中国囲碁代表団静岡訪問をはじめとする浙江省と静岡県が行ってきた囲碁交流の歴史をメインに、写真パネル、絵画、掛け軸、名棋士たちの署名が入った棋具の数々など、100点余りが展示されている。なかには高い歴史的価値を有した品もあり、会場は囲碁文化の世界の玄妙な趣に溢れている。
 
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展示風景

 
 さらに、セレモニーでは八木勇先生の囲碁交流や浙江省と静岡県の文化観光交流に対する40余年に渡る貢献を讃え、浙江省文化と観光庁および中国文化センターから八木先生へそれぞれ表彰状が授与された。その後、王文強氏による四川省の伝統芸術「変面」とプロ演奏家ウェイウェイ・ウー女史による優美な二胡の演奏も行われ、会場中の注目はその精彩なパフォーマンスに集められた。
 
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蘇涛中国大使館一等書記官(左)が浙江省文化と観光庁を代表して八木勇先生(右)に賞状を授与

 
 本展は11月6日まで開催する。囲碁に興味のある方にはぜひ足を運んでもらいたい。
 
 注:「爛柯」とは囲碁の別称の一つ。『述異記』の故事に由来。


期日: 2020/10/20 〜 2020/11/06
時間: 10:30〜17:30(土日休館、最終日は13:30まで)
会場: 中国文化センター
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