10月6日から10月10日まで、広義皮影芸術ワークショップが主催する「清代唐山皮影コレクション展」が東京中国文化センターにて開催された。本展は、中国の非物質文化遺産である皮影戯(影絵劇)の重要な流派である唐山皮影を紹介する展覧会であり、「楽庭影」「滦州影」とも称され、精緻に彫刻された牛革(驢皮)影人と、独特で長く美しい唱腔によって「北方皮影の代表」と称賛されている。観客は、近距離でこの伝統芸能の真髄を体感できる橋渡しの機会を得た。

本展のテーマは「伝承と創新」であり、歴史的価値と美術的価値の高い珍品を厳選して展示品を構成。唐山皮影芸術の歴史的脈絡を網羅的に整理し、その卓越した技術の粋を深く再現している。出品品には、時を刻んできた清代の皮影実物が含まれ、牛革素材の紋様は時の流れの中でもなお鮮明である。また、細密で華麗な清代の影譜は、皮影芸術の清代風格研究に不可欠な貴重な資料として位置づけられている。さらに、初期の皮影唱腔を録音した三四十年代のレコードも展示されており、軽やかに再生するだけで、ほぼ百年を超える移り変わりの旋律を聴くことができ、観客を皮影芸術が盛んだった時代へと誘う。
今回の展覧会には、貴重な歴史コレクションだけでなく、柴広義(柴廣義)氏自身が制作した皮影作品も含まれている。これらの作品は、唐山皮影の伝統工芸を継承する基盤を保ちつつ、現代的な美意識と創造性を融和させ、伝統と現代の巧妙な融合を実現。古今の対話の中で皮影芸術の生命力を深く体感させるものである。柴廣義氏は長年にわたり皮影文化芸術の海外公演・普及活動に携わり、日本各地へ足を運び、唐山皮影の日本での普及と展示、そして中国伝統芸術の理解促進に重要な貢献を果たしてきた。
非遺文化財ファン、伝統芸術研究者、また伝統文化の魅力を体感したい一般観客の方々は、展覧会場で唐山皮影芸術の奥深い魅力に浸り、古と現の対話を通じて、この伝統的な非遺産文化の伝承と発展を共に体感できる。


| 期日: | 2025/10/06 〜 2025/10/10 |
|---|---|
| 時間: | 10:30~17:30(10/10~13:00) |
| 会場: | 中国文化センター |
