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 端午の佳節、中国文化センターは多くの来賓であふれ、賑やかな雰囲気に包まれた。浙江省文化年の最重要イベントである「暮らしを彩る龍泉青磁展」の開幕式が盛大に行われた。浙江省文化館の裘国樑館長が主催を代表し、日本の各界へ端午の節句を祝うメッセージを送ると共に龍泉青磁を紹介した。「龍泉青磁の歴史は長く、南宋に最盛期を迎え、独特な特色を持ち、ユネスコの世界無形文化遺産に登録された。本展では龍泉青磁の老年、中年、青年の三代による近年の優秀な作品約100点を展示し、そのうち数点の作品は2016年のG20サミットの“国家の贈り物”とされる作品に選ばれた。中日の文化交流の歴史は長く、日本の陶器工芸も大変精巧で工夫さてれおり、陶器製品は広く使われ、日本人は陶器をよく理解し、陶器を愛していることは知っている。長い歴史を持つ龍泉青磁が日本の皆さんに気に入ってもらえたらと思う。」と話した。
 
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海江田氏の挨拶

 
 国土交通省の舘逸志政策統括官、海江田万里元民主党党首、浜田和幸元参議院議員、日中協会の白西紳一郎理事長、日中友好会館の武田勝年顧問、東京華僑総会の林斯福会長、著名な服飾デザイナーJUNKO KOSHINOの鈴木弘之代表取締役社長ら約60名が開幕式に出席した。日本の来賓は挨拶のなかで、「このような規模とレベルの龍泉青磁が日本で展示されるのは実に珍しい。歴史上ではシルクロードが古都奈良まで伸びて、陶器も中国から日本に伝わり、現在は日本の特色を持つ陶器工芸として発展している。目下、日本が“シルクロード経済ベルト”及び“21世紀の海上シルクロード”に加入するのも時間の問題であり、文化交流の大きな成果が両国国民に恩恵が及ぶよう願っている。」と語った。
 

舘氏、海江田氏、浜田氏など来賓に青磁の双魚の掛け飾りを贈呈後に行った記念撮影

 
 自民党の江崎鉄磨議員、門博文議員が展覧会を鑑賞に訪れ、中国南宋の焼成技法伝承者で工芸美術大師の金益栄氏が会場で解説を行った。
 

江崎、門議員に解説を行う様子

 
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彫刻を鑑賞する様子

 
 開幕式では、工芸美術大師と伝承者及びその弟子たちが伝統の手動のろくろを用いた成形と彫刻の実演を行った。浙江龍泉青磁で常用される磁土原料、製造工具及び青磁の破片や古い写真、青磁作品などの展示を通じて観衆に龍泉青磁の長い歴史と厚い蓄積、そして現代芸術家の伝承と創造を紹介している。会場では茶芸と古箏の実演もあり、センターからは粽が振舞われ、共に佳節を過ごした。
 
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お茶を味わう様子

 
 龍泉窯は中国史における名窯で、その主な生産地として龍泉市はよく知られている。龍泉青磁は中国三国両晋時代から始まり明清時代まで続き、1600年以上にわたる青磁生産の歴史を有している。龍泉青磁はきめ細かく滑らかで、端正で素朴な造形、清らか且つ華やかな色合いでその名を馳せている。2016年に行われたG20サミットは龍泉青磁を再び世界の舞台に押し上げた。16世紀、龍泉青磁はシルクロードを通ってヨーロッパへ伝わった。最初にフランスに渡ると、パリの人々は青磁の美しさと当時一世を風靡した羊飼いの女を描いたパストラル劇の主人公が着る美しい青い服が似ていることから青磁をその主人公の名で呼び、今でもその名で呼ばれている。また日本人は青磁を好み、官窯の青磁を磁器の中における最上級品と考えている。会期中は客足が絶えず、現代龍泉青磁作品を称賛する声も絶えなかった。
 
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展示作品

 
 本展は9日まで開催される。


期日: 2017/05/30 〜 2017/06/09
時間: 10:30〜17:30
会場: 中国文化センター
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