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 2017年6月9日午後、陶磁器愛好家約60名が中国文化センターで行われた「龍泉青磁の歴史と伝承」講座に出席した。本講座は文化センターの「中国文化ウィーク」における主要なイベントとして開催された。
 
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講座会場

 
 講座開始前、石永菁センター長は聴衆に、「無形文化遺産保護の強化のため、2006年に国務院が毎年6月第二土曜日を“中国非物質文化遺産の日”(無形文化遺産の日)と制定した。明日は“非物質文化遺産の日”であり、中国文化センターは日本の皆さんに世界レベルの無形文化遺産である龍泉青磁の歴史、焼成方法、美しさと伝承等分野の状況を紹介するため、浙江省非物質文化遺産伝承人(無形文化遺産の伝承者)で中国陶磁器芸術大師(人間国宝)である陳愛明氏と浙江省工芸美術大師(人間国宝)の潘建波氏を浙江省龍泉から日本へお招きした。」と紹介した。
 
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陳愛明講師(右一)と通訳者

 
 陳愛明氏は浙江省龍泉に生まれ、三十年以上にわたり青磁に携わり、特に「刻花」、「跳刀紋」、「印葉紋」の紋様装飾や銅紅絞泥、流絞泥の装飾技法を重んじるほか、自然の灰釉の開発と使用により独特な風格を形成している。作品の多くが受賞し、北京人民大会堂、中南海紫光閣、中国美術館、上海万博中国館の貴賓エリア、韓国青磁博物館、イギリスのジュエルハウスなどに収蔵されている。
 
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青磁作品を鑑賞する様子

 
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窯土と制作工具の展示の様子

 
 陳氏は龍泉の歴史、地理、窯址分布などから、龍泉青磁の独特な歴史と文化経路を説明した。「龍泉地区には古代青磁焼成窯址が500か所以上あり、龍泉市内だけでも360か所以上が発見されており、この巨大な青磁窯の体系的な歴史を龍泉窯と呼ぶ。龍泉窯は中国陶磁器史上、焼成期間が最も長く、最も広域な窯址分布と最高な品質、最大の生産と輸出規模を誇る青磁の名窯である。」と説明した。講座では原料の配合、ろくろ成型、装飾、施釉、素焼き、本焼き等8つの龍泉青磁制作手順を紹介し、スクリーンと展示している青磁作品を用いて青磁作品の特徴と鑑賞方法などについて説明すると、聴衆はしきりに頷き、目から鱗が落ちるといった様子であった。陶器の研究をしている聴衆は兄窯の青磁作品に使用される装飾技法に対して大いに感心し、「不思議だ」と繰り返していた。
 
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紋様彫刻を鑑賞する様子

 
 龍泉青磁の制作工程を紹介するため、潘建波氏は会場の観衆に伝統のろくろを使用した成型、彫刻、装飾といった代表的技法を実演すると、会場は多くの観衆で溢れ、実演を見た観衆からは歓声が上がった。
 
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ろくろを使用した実演を見る様子

 


期日: 2017/06/09 〜 2017/06/09
時間: 15:00~16:30
会場: 中国文化センター
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