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 中文導報電:11月30日、9か月にわたる中国漢字文化シリーズ講座「甲骨文から見る中国文化」が満員の聴衆から熱い拍手が送られる中、円満に終了した。本講演会は中国文化センターの主催で、在日甲骨文書道研究学者で書道家、篆刻家でもある張大順氏を講師として招き開催された。
 
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講師張大順氏

 
 本シリーズ講演会は全部で8回行われ、最初の5回は約1200の甲骨文常用文字の中から代表的な100文字を選び、人体類、動物類、建築類、農業類、器物類といった五大分類別に分け、甲骨文の成り立ち、奥深い文化及び字形の特徴、中国語の発音、日本語の発音と文字表記の要点について解説をし、中日両国の漢字の共有、共通する事例を挙げ漢字の始祖である甲骨文に蓄積された中華文化文明、古代先賢の知恵、審美意識、天人合一思想等について分かり易く説明すると共に、文字一つ一つが表す形や意味を詳しく読み解いた。また、日本民族の民俗習慣や現在の日本人の生活の中に残る中国文化の遺跡や影響についても紹介し、聴衆を三千年余りの時空を超えた旅へといざない、歴史を存分に味合わせ、太古と現実が重なり合う文化の伝承を体感させてくれた。
 
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参加者は本シリーズ講演会を熱心に聴講した

 
 漢字は中華民族文化の核心であり、中華文明の代表でもある。漢字は中華民族の文化、歴史、世界文明の形成と発展に大変重要な促進的作用をもたらした。中国と日本は一衣帯水の隣国であり、日本は中国の漢字文化を継承すると同時に独自の仮名文字を創造し、長きにわたる歴史的発展を経て、漢字は日本文化に欠かすことのできない一部分となった。
 

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質疑応答の様子

 
 毎回の講演で観衆は情報や概念のみならず、文字の一筆一画ですらも聞き逃すまいと真剣に耳を傾け、手元に配布された基本資料があるにも関わらず、休みなくメモを取ったり写真を撮ったりし、後列の聴衆は双眼鏡を使用するなど、それぞれが現代のツールを用い、遥か遠い昔の物事を探求し、留めようとしていた。
 
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真剣にメモを取っている

 
 講演期間中に書面によるアンケートを行ったところ、聴衆はこのような近距離で中国人が古代の出来事を話すスタイルは大変貴重で珍しく、ほかにはない講演であり、研究成果を説明するのでとても分かり易いと称賛していた。またある聴衆は「我々は甲骨文から古代先人の異なる美意識を垣間見ることができた。」、「高度な殷の時代の文明と文字文化の豊富さを改めて体感した。」、「文明の産物としての文字と人々の生活の密接な関係について理解し、漢文が私たちの身の回りの奥深い意義として存在していると感じ、非常に面白い。」、「甲骨文の魅力を通して、現代書道にはない面白味を知りたい。」、「これから全ての甲骨文に秘められた未知の部分について知りたいと思った。」と書いていた。
 
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講演会は参加者の好評を博した

 
 中国文化センターは甲骨文を引き続き深く学びたい参加者の要望に応えるため、来場者が多く視聴が困難な状況に視聴設備を増設して対応し、また前例になく3回の講演会を追加し、甲骨文の造字法、使い方、記憶方法、書き方等中国文字の形成文化と芸術の両面から深く掘り下げ聴衆の新たな発見を導き、更なる喜びの中に中国伝統文化の精髄と魅力をより深く感じさせていた。今回のシリーズ講演会の幅広い展開と促進、努力は参加者の好評を博した。
 
 9か月という短い時間だったが、都内だけでなく、郊外や地方、更には大阪や京都等関西の愛好者約800名が参加し、教師、主婦、医師、会社経営者、会社員、書道家、エンジニア、IT技術者、フリーターから政府職員、政界人士、上は90歳から下は大学生といった様々な参加者が本シリーズ講演会に情熱を傾けていた。月一回の集会、月一回の学習と感動、そして今回会場に鳴り響いた歓声と拍手により、中国文化センターの会場に美しい光景をなしていた。
 
 来年の中日国交正常化45周年を記念し、文京区は先日、張大順氏を講師として招き、文京区民に向け中国漢字文化シリーズ講座を開催する旨を発表した。我々は中国漢字文化と中国の故事が日本でより広く伝わることを期待している。


期日: 2016/03/16 〜 2016/11/30
時間:
会場: 中国文化センター
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