2025年11月23日午後、東京にて開催された「2025 大登殿京劇公演」が、主催者の東京票房および東京中国文化センター、協催の東京華僑総会の協力のもと、無事閉幕した。百名を超える中日京劇愛好者が会場に集い、水袖の舞と絲竹の響きに耳を傾け、異国の地で京劇文化交流の一章を深く体感した。
開幕前には、東京票房の代表吴敏氏と東京中国文化センター長羅玉泉氏がそれぞれ舞台挨拶を行い、公演準備の背景を詳述した。観客に向けて、若手俳優たちが週末の休みを返上して反復リハーサルを重ね、声の作法から身のこなしに至るまで細部を正確に再現するべく尽力してきたことを強調。真摯な語りは、これから上演される京劇の饗宴への期待を一層高めた。

東京票房の代表吴敏氏

中国文化センター長羅玉泉氏
本公演は、伝統京劇の名作十部を厳選し、豊かな流派と題材を網羅。京劇芸術の多様な魅力を全方位に示した。中でも「穆桂英掛帥」、「轅門射戟」、「四郎探母・坐宮」、「定軍山・この手紙」、「空城計」、「赤桑鎮」、「大登殿」の七部は化粧演出形式で上演され、「陳三兩爬堂・家住山東」、「蘇三起解」、「搜孤救孤」の三部は現場での清唱演出で披露された。伝統的劇目と丁寧な舞台演出が融合し、観客は京劇芸術の華麗さと内涵を没入的に堪能した。

現場の様子

現場の様子

現場の様子

伴奏のチーム
会場では、中日両国の観客の交流が最も温かな場面となった。華人観客がスマートフォンで水袖の翻転を記録し、「東京で京劇を聴くとは故郷の方言を聴くのと同じで、故郷の温もりを感じる」と語る場面もあった。日本人観客は舞台に集中して観賞し、花臉の華やかな姿に強く惹きつけられたとの声も寄せられた。ある日本の京劇ファンは「京劇を通じて中国の忠義文化と東洋の演技美学をより深く理解できた」と語った。拍手と称賛の声が会場に次々と湧き上がり、中日文化の共鳴が改めて確認された。
今回の公演の大成功は、京劇が文化的絆として独自の価値を有することを改めて示すものとなった。今後もこの国粋芸術が東京で更なる輝きを放ち、中日文化交流の温かな章を多く書き加えていくことが期待される。
| 期日: | 2025/11/23 〜 2025/11/23 |
|---|---|
| 時間: | 13:30~16:15 |
| 会場: | 中国文化センター |
