同じ地球村に住む者同士、一緒に同じ満月を見上げよう――この中秋節の折、中国歌劇舞劇院がオンラインで民族音楽のコンサートを開催します。伝統的な民族音楽と現代的なデジタルミュージックを融合した新たな音楽とダンスが織りなすのは、世界中が中秋の名月のもとで心を一つにして親睦を深め合う、そんな切なる願いです。
Youtube:「五洲同月 情満中華」中秋オンラインコンサート(10月1日-10月5日)
イベントHP(日本時間10月1日22:10―22:50生中継)
プログラム
一、アンサンブル『彩雲追月』
編曲:任光 オーケストレーター:彭修文
『彩雲追月』は任光と聶耳が1935年に広東の民族的管弦楽曲を編曲し百代国楽団に提供するためにした楽曲で、1960年に彭修文が改めてアレンジを加えました。民族的色彩に富んだ五音音階のメロディーが、上五度の反復進行、縦笛や二胡の輪番演奏、撥弦楽器の軽快なリズム、低音楽器の弦とシンバルの広い音色などと見事に調和し、夜空に広がる美景を鮮やかに表現しています。
二、パーカッションアンサンブル『龍騰虎躍』
作曲:李民雄 リードパーカッション:王佳男
「龍が昇り虎が跳ねる」という意味の本曲は浙江省東部のどらと太鼓の楽曲『竜頭龍尾』の音調を変化、発展させたもので、気勢に溢れ情緒激しい、そして民族性に富んだ楽曲です。作曲者の李民雄は様々な太鼓の音色とリズムを多様にまた巧みに組み合わせ、その多層的で立体的な音響効果でパーカッションアンサンブルの新形式を開拓しました。
三、琵琶・箏 二重奏『春江花月夜』
編曲:邱大成 琵琶:羅慧芳 箏:雷靛雲
本曲は非常に優美な叙情的楽曲です。春の静かな夜、東の山から昇る月、川にたゆたう小舟、西の岸にゆらゆら揺れる花影、そんな大自然の美しい一幕一幕が目の前に広がるさまは、まるで山水画を見るかのようです。古風な素朴でいて優雅なメロディー、穏やかなリズム、ゆったりとして慎み深い音色が表現する深遠なる世界には、強い芸術的魅力が宿っています。
四、パーカッション『錦鶏出山』
編曲:田隆信 パーカッション:童生垣、陳思翰、張雪晶、単威偉
本曲は『錦鶏拖尾(錦鶏が尾をひく)』という伝統楽曲の冒頭をテーマにして「山間春色」「結隊出山」など5つの物語で構成された楽曲で、1986年に「ニューヨークタイムズ」誌で「ニューヨーク全土を風靡した中国民謡曲」と紹介されました。4つの銅製楽器のアンサンブルが、湖南省一帯に暮らすトゥチャ族の吉祥の鳥、錦鶏たちの生き生きとした生活の様子を奏でます。柔らかなメロディーと快活なリズムが織りなす豊かな表現力が非常に特徴的で、まるで天然自然の音楽のように感じられることでしょう。
五、室内楽『敦煌』
作曲:姜瑩
シルクロード上に輝く宝石のような敦煌、その神秘的で懐が深く、豊富かつ精美な歴史遺産たちは、中国と西洋の文化交流の歴史を担い、万古の文化の血脈を受け継いできました。
本曲は中国の民族楽器の特性を巧みに活かしながら、西域(中央アジア・西アジア一帯)とインドの音階を組み合わせ、古代四大文明の唯一の合流点である敦煌が持つ多元的で伝説的な色彩を表現しています。
六、二胡 オーケストラ伴奏『新賽馬』
作曲:黄海懐 編曲:陳耀星、陳軍 二胡:林感、李路洋
『新賽馬』は、陳耀星と陳軍が二胡の定番曲『賽馬』にテクニックを必要とする部分を多数追加しアレンジした楽曲です。アレンジによりダイナミックさや情熱さが増し、楽曲全体が更に充実しました。躍動的な競馬の熱気をありありと感じさせるその雄大な勢いと熱い息づかい、奔放なメロディーで、多くの人々に愛されています。
七、アンサンブル『阿細跳月』
編曲:彭修文 アレンジ:張高翔
イ族・阿細人の最も代表的な民族舞踊『阿細跳月』は阿細語で「ガスビー」と呼ばれ、「喜びのジャンプ」を意味します。「阿細」「サニ」と自称するイ族の伝統舞踊で、月明かりのかがり火の周りで踊ることが多いため、漢語では『阿細跳月』あるいは『阿西跳月』、『跳楽』と呼ばれるようになりました。
本曲は、中国民族音楽家の彭修文がその伝統舞踊の音楽をもとに管弦楽曲に編曲したものです。
八、アンサンブル「我愛你中国」
作曲:鄭秋楓 編曲:王雲飛
本曲は映画「海外赤子」の同名挿入曲をもとに編曲されたもので、楽曲「我愛你中国」は海外の旅人が祖国を想う深く尽きない愛を表現しています。メロディーが流れるたびに、湧き上がるような情熱を感じさせ、すべての中国人の心に祖国への崇高な愛を漂わせます。
九、アンサンブル「花好月円」
作曲:黄貽鈞 編曲:彭修文
指揮:于帆
コンサートマスター:柏淼
オーケストラ:中国歌劇舞踏劇院民族楽団
『花好月円』は黄貽鈞が百代レコード社のために作曲したアンサンブル曲です。作曲当時は曲名がなかったため、中国国家交響楽団の陳中がこの曲の明るくにぎやかな雰囲気から『花好月円』と名付けました。そして新中国が成立して間もなく、指揮者の彭修文が江南風であった『花好月円』を民族楽器による管弦楽曲にアレンジし、大きな反響を呼びました。