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 「現金はほとんど持ち歩きません」。今の中国の都会っ子は皆、口を揃えてこう言う。10数年前まで中国でキャッシュレスと言えば銀聯カードが最もポピュラーだった。だが、ここ数年はスマートフォンの普及により、モバイル決済が爆発的に拡大している。レストランやスーパーなど支払いが必要な至る所でモバイル決済専用のQRコードを見かけ、市場などの個人経営の青果店でさえQRコードを掲げている。野菜を買うのに、スマートフォンでQRコードをスキャンして支払いが完了する。現代の新旧が混在するおもしろい光景が広がっている。
 
 モバイル決済とは、スマートフォンなどのモバイル端末を使った電子決済サービスのことだ。アリババが運営する支付宝(Alipay)とテンセントが運営する微信支付(WeChatペイメント)が2強である。支払い方法はとても簡単で、専用のアプリでQRコードをスキャンし、支払い金額とパスワードを入力するだけで支払いが完了する。小銭を探す煩わしさもなく、あっという間である。また、アプリと銀行口座が直接紐づけられているので送受金の機能が利用できる。これが便利で、家賃や電気・ガス・水道など公共料金の支払いが手数料なしで利用できるほか、公共交通機関のチケット購入、デリバリーの注文、そして今話題のシェア自転車もアプリを利用し、支払いまで一気に済ませることが可能である。
 
 このように、あらゆる所でモバイル決算のインフラが整い、現金がなくても困らない環境が整っているのだ。このキャッシュレスの潮流は都会だけではなく、内陸部へも及んでいる。

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